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- 真空ポンプについて

シリンダは、油を溜めたケースの中に取り付けてあり、シリンダの中心に対して偏心してローターがあり、常にシール部Cで微小隙間を保ち油でシールされながら回転する。ローターには2枚の翼板があり、スプリングの力と遠心力によって常にシリンダ内壁に押し付けられて回転する。これらのシリンダ、ローター、翼によって仕切られたV1・V2の2つの室は、ローターの回転に従ってその内積が変化する。吸気口と連結された室の容積が増大するにしたがって気体を吸い込み、翼が水平になったとき最大となり、減少するにしたがって気体は圧縮される。
大気圧よりやや高い圧力に圧縮されると、放出弁が開き気体は排気口を通って、大気中へ排出される。給油はメーカーによって種々工夫されており、軸とカバーの隙間、あるいは壁側から行われる。最近のポンプは給油ポンプを内蔵したものが増えている。
この油回転ポンプは、回転体のバランスが比較的良いため振動が小さい。従来は小型ポンプが多かったが最近では、大型容量(300m3/h)までつくられている。駆動方式は、ベルト掛けもあるがフランジモータを使用して直結形にし、回転数を上げて小型化したものが多い。また翼板が3~6枚の多翼板のものもある。
※一段式の油回転ポンプはローターが一つ、二段式油回転ポンプはローターが直列で二つ搭載されております。

図に示すように、楕円形のシリンダ内に2つの同形のまゆ形断面のローターを互いに90°位相をずらして取り付け、ローター相互間およびシリンダとローター間はわずかな隙間を保ちながら、接触することなく互いに逆方向に等速度で回転する。
このローターとケーシング間に閉じ込められた気体を吸気口から排気口へ送るが、閉じ込める容積は油回転ポンプのように縮小する機能はない。
圧縮が行われるのは、図中のV4で、V3中の気体は吸気口と同じ圧力であるが、ローターが回転すると排気側とつながり、圧力の高い気体が逆流し混合する。
更に回転するとこの混合気体は排気側に押し出されることになる。
ローターの回転構造は、一方のローターの軸端を、軸封部を介して大気中に出し電動機に接続、両ローターの他端側にはタイミングギヤが取り付けられ、互いに逆方向に回転するようになっており、これにより気体を圧縮し排気している。
排気容量は、30m3/hから最大24,000m3/hまでのラインナップがある。
各部の隙間は、排気性能に影響するので狭い方がよいが、狭すぎると焼き付きを起こしやすいので、通常小型機で0.1~0.3mm、大型機で0.3~0.8mmである。